学校開始の目処が立ちません。そんな中児童虐待は確実に増えています。『189』皆に広まりますように。

毎年このくらいの時期から、小児科の入院で『食欲不振、体重減少、朝起きられない、頭痛、腹痛』このような症状の子供が増えてきます。

しかしこのような症状を抱えている子供達の中には色々な検査を医療機関で一生懸命やるのですが、器質的疾患が見つからない子もいるのです。

例年は新学期が始まったストレスでそういう症状が出てしまう子が多いですが、今年は学校がないストレスでそういう症状が出てしまう子供が増えそうです。

いわゆる『心身症』という診断になり、少し進行したものであると『うつ病』という診断になります。

子供も『うつ病』になるのです。

学校について、ある大人は言いました。

『学校なんていっても何も学べないからいっても無駄だ。』

私はそうは全く思いません。『学校』は子供の大事な『居場所』なのです。

勉強、遊びはインターネットでも家庭でもできますし、学校にいかなくても何とか成り立つものです。しかし子供にとって大切な居場所である学校が失われている現状では子供たちのストレスは相当なものになるのだとつくづく思います。そのストレスのせいで発せられる身体のサイン、これに気づいてあげねばなりません。

これから小児科入院として増えるであろう、学校休止に伴いストレスを感じている子供たちにいかに休息できる場所を与えられるか、小児科の大事な役割になるでしょう。

そして忘れてはいけないのが、『児童虐待』です。

「ある家庭では、父親も母親もリモートワークで家にいる時間が長く、夫婦関係のストレスが徐々に蓄積されてきました。そのストレスが子供に向けられ、虐待が始まる、、、」

こんなことはどこの家庭でもあり得ます。

果たしてそういう子供達に社会としてどう対応していけばいいのか。確認しておきましょう。

通報 189(いちはやく)

地域の自動相談所へ無料で相談できるサービスです。中には自動相談所になんて相談しても何も変わらないという人がいますが、そんなことは全くありませんし、少なからず何らかのスイッチは入ります。私も学生自体相談したことがあります。少しでも虐待なのではと疑えば、通報してください。その子の人生が壊れるのでは、逆恨みされるのでは、そんな心配は不要です。通報することで救われる子供、また親もいるのです。子育てに限界を感じている親の助け船になった通報を今まで何件も見てきました。こちらの記事に非常にありがたい情報が載っていましたのでリンクを貼らせていただだきます。https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20170816-00074094/

② 学校や幼稚園、保育園の先生に相談 

その子供の家庭環境であったり、その子供の性格を一番しっかりと把握している第3者はやはり学校の先生です。学校の先生は非常に真面目で熱心な先生が多いです。もし相談を受けた学校の先生は1人で抱え込むのではなく、学校単位、地域単位で適切な対処法をとってほしいと願います。

③ 子供自身が周囲の大人に助けを求める 

もっとも大事なことは自分自身で勇気を持って助けを求める事かもしれません。家庭が辛い、居場所がないと思ったらSNS上でもいいし、リアルでもいいですので助けを求めてください。

④ 小児科医に相談

なかなかこのような状況下で小児科医も踏み込んだところまで行動することは難しいですが、小児科医というのは常に児童虐待に対してアンテナをはっており、現在のこのような世の中で虐待が増えうるというのをみな想定して日常診療を行っています。相談された小児科医は親身になって対応を考えていかねばならない、そしてその責務があると考えます。

外出制限で大人も子供も多大なストレスが出てくるころです。在宅ワークいうのは簡単そうに見えますが、日本の特に首都圏の狭い住居環境では向いていないのは事実です。大人と子供の精神衛生を保つことも今後の非常に大きな課題です。

皆さんの周りでもし児童虐待を疑うような事象があった場合はあなた自身が行動してください。

まずは「189」にコールを!!  Dr.F

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