COVID-19の影響はこういうところにも大きく現れそうです。
医学生達の就活、マッチングです。
都内の病院は感染防御の観点から医学生の病院見学を禁止しているところが多いです。むしろ現在も病院見学を受け入れている病院があれば感染対策が遅れていると言わざるを得ないでしょう。
毎年、医学部5年生を対象とするレジナビフェアというものが開催されます。しかしこの状況下では開催は厳しいのではないでしょうか。
私も地方の医学部出身です。研修医になったら漠然と東京都内の病院で働きたいなと考えておりましたが、当時5年生の私は都内有名病院の名前は聞いたことあるけど、実際の感じは全く知りませんでした。そのため5年生夏のレジナビフェアで何個か目ぼしい病院を見つけ、5−6年生にかけて3病院ほど病院見学をして、6年生の夏にマッチング試験を受けて都内の大学病院での勤務が決まりました。
当時から考えていたことは、『研修病院の良し悪しは何を基準に決めればいいのかわからない』ということでした。
何となくの病院のイメージ、先輩から聞いた噂話で決める人が多いのが現状だと思います。この主観的評価を重視して医師人生を左右しかねない研修病院を決定する現状はなんとかならないのかとずーっと思っていました。
そこで研修病院を主観を抜き、客観的に評価できる方法を考えてみました。
『Instgram pedr.f2020』 にアップしていきます。
客観的評価①症例数
これは日本内科学会が発行している『日本内科学会 認定教育施設・連携施設年次報告書 2019年12月23日発行』をもともに、都内の研修病院を評価してみました。https://www.naika.or.jp/nintei/shinseido2018-2/nenpo/
都内研修病院の
1、年間内科外来患者数/研修医数
2、病床数/研修医
3、救急車年間受け入れ数/研修医数
4、研修医+専修医症例発表数(内科のみ)/研修医数
5、小児科病棟数、NICUがあるか、周産期医療はどうか
を検討してデータを評価し、A-Eでランク付けしてみます。
医師5年目になった今、『経験できる症例数』の大切を身に染みて感じます。common diseaseもrare diseaseも自分の身で経験しないことには自分の力にはならないのです。
また症例発表等の論文を書くにしても『症例数』がものをいいます。
救急車受け入れ数が多い病院は当然経験できる手技も多いでしょう。内科外来数が多い病院は当然、入院患者として見られる患者さんの症例数や症例の種類も期待できるでしょう。病床数が大きい病院はそれだけマンパワーが充実しており、様々な症例を経験できるでしょう。研修医数で割ることで、症例の取り合いも補正して考えることができると考えます。
客観的評価②福利厚生
1、給料 2年間でどれくらいの給料がもらえるか。
2、住居 住宅、家賃補助の有無
3、休暇 有給取得+夏休みがしっかり取得できるか。
を検討してA-Eで評価してみました。
これは病院によってしっかりと提示してくれてるところと曖昧なところがあり、正直どこまで正確な情報が提示できるかは不明ですが、曖昧なところはあまりいい福利厚生は期待できないのかもしれません。
良い病院(ここでは症例数をいっぱいみられて、手厚い指導が受けられる環境が整っているか、労働に対する対価がしっかり払われ、1人の職員として研修医をみてくれているか)がしっかりと評価され、埋もれることのないようにしたいです。
もちろん研修病院は人と人の出会いが大きなウエイトを占めることは間違い無いのですが、上記のような確固たる客観的指標で評価するという方法はおすすめですし、自分がもし学生に戻れればそいう視点で研修病院を決めたいと思います。
主に地方医学部から都内の研修病院での臨床研究を考えている学生さん達へ。
学生だった、当時の私と同じようにどこの病院で働けばいいか検討もつかない方がいましたら、『病院全体で研修医を育ててくれ、守ってくれる病院を是非見つけて連絡をとってみてください。』
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