医師当直のお供にamzon [kindle]をお勧めしております。
私や私の友人が出会った面白い本を不定期でご紹介いたします。
本日2回目にご紹介する書籍は
「佐藤可士和のクリエイティブシンキング」
佐藤可士和氏は皆様もご存じ、「ユニクロ」「楽天」「セブンイレブン」など超大企業のロゴデザインを行った方で、クリエイティブ会の巨匠です。彼が手掛けた作品は数知れず、SMAPのCDジャケットやグッズのデザイン、今治タオル、幼稚園の建築等、多岐にわたります。そんな巨匠の思考回路を思う存分味わえるのが今回ご紹介する本です。
書籍の中で印象に残った2つのエピソードをご紹介します。
1つは化粧品の容器を「パリのセレクトショップの消火器の容器の材質からヒントを得た」というエピソードです。
佐藤氏に依頼をした日本の化粧品ブランドは、商品自体の技術や品質には定評があるにも関わらず、その良さが伝えきれていない化粧品ブランドでした。そこで依頼を受けた佐藤氏は、その商品そのものの良さやフィロソフィーを伝えるために、化粧品容器を従来のポンプ式ではなく、霧吹き状のトリガー式にすることを考えました。そのトリガー容器をパリの消火器からヒントを得て作成したのです。パリの消火器はクロムメッキで作られており洗練されたパリのイメージにしっかりとなじんでいるものであったということです。日本の化粧品容器とパリの消火器、ここを結び付けられるセンスと情報に対するアンテナのはり方にただただ脱帽しました、
もう1つは2008年ごろに放映されたキリンビールのCM撮影のエピソードです。
キャッチコピーは「親、子。人はつづく。キリンビール。」
「ほのぼのとした余韻を残す親子の絆」をコンセプトにしたCMの依頼がきた佐藤氏。
そのCMを歌舞伎役者親子に単純にビールを飲みながら語ってもらうという手法で撮影しました。撮影してもらうための「場」を設定しただけであとは台本も演出もなく好きなようにかたってもらうという手法で撮影したCMは大きな反響を呼んだそうです。「久しぶりに親子でビールを飲みたくなった」という声が寄せられ、思惑通りのCMとなりました。頑張って作りこむだけがクリエイティブではないのだと思い知らされました。
日常生活で色々な場所にアンテナを張ってみると、この世の中はクリエイティブにあふれていることに気がつきます。
電車の中、医療機関の中などでこのクリエイティブにはどのような意味があるのかぜひとも考えてみると大変おもしろいでしょう!!
クリエイティブのセンスに溢れる医師、これからの世の中に必要な存在なのかもしれません。
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