COVID-19最前線で戦っている医療関係者には本当に頭が上がらないです。
私は普段小児科診療をしていてもしかしたらという症例はいるにはいますが、幸いにも全身状態が崩れるほどの症例にはまだ出会っておりません。
ワイドショーで散々話題になっているreal time PCR。
ある知識人はテレビで声高に叫んでいます。『日本は検査件数が少なすぎる。何で希望者全員に検査しないのだ!!』と。今この時間も世間がGWでSTAY HOMEしている時に検査室でPCR検査をやってくださっている臨床検査技師の方がおそらくいるでしょう。本当に大変な作業だと思います。
私にできることの1つとしてreal timePCRがいかに大変な検査かを実際に手を動かしてやってみて皆様にお伝えすることと考えました。今年から大学院に入学したので実験の一環としてreal time PCRをできる環境にあります。
今回は癌細胞から抽出したRNAを(RNA抽出に約30分)complementary DNAに逆転写して、TaqManprobeを用い、real time PCRを行うことで、ある特定の遺伝子の発現を測定します。
real time PCR 実際の様子
GW中、昼の11時半に作業に取り掛かりました。
まずは2種類のがん細胞から抽出したRNAを逆転写酵素を使用しcomplementaty DNA(cDNA)に変換します。
ここまでで1時間経過。
その後、cDNAに発現している特徴的な遺伝子配列をTaqMan probeを用いて増幅、発光させて発現を評価していきます。
ニュースではここの作業の動画が使われることが多いのではないでしょうか。
この96 wellのプレートに数μLずつ分注していく作業が本当に大変です。この時点で15時くらい(3時間半経過)、だいぶイライラが溜まってきて手技の正確性が落ちそうになりました。
real time PCRとは
簡単にいうと、遺伝子地図上のある特徴的な部位をprobeを用いて探索して、その部位を2倍、4倍、8倍、、、という風に倍加させていきます。その際に発光物質がどれだけ励光するかを機械を用いて解析して行きます。→分かりにくいですね、、、汗
あとは上のreal time PCR測定用の機会が頑張ってくれます。私が使った機械だと1時間半弱くらいかかります。
最終的に全てが終了したのは17時を過ぎていました。(5時間半経過)
検査結果自体の解釈も簡単ではありませんので、これから指導医の先生と解析していきます。
real time 初心者がやると結果が出るまで、5時間半かかりました。
real time PCR自分でやってみて
・生物学や分子細胞生物学の知識を総動員して行う検査であり、軽い気持ちでやる検査ではない。
・時間がある程度(少なくとも3時間程?)必要、また緻密な数μLを相手にする作業が必要なため、時間に追われて慌ててやるには向いていない検査だと思った。
・慣れたら難しい検査ではないかもしれないので医学生や若手医師も今後機会があれば是非やってみてください。
GW=STAY HOME週間、本日で終わりの人も多いでしょう。また明日から楽しい未来に向けて皆で力を合わせて頑張っていきましょう。
夏休み→ハワイに行きたい!! Dr.F
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